out3番 Par4 314y。

右ドッグで曲り角の奥にある160y先の一本杉が狙い目のホール。
180y以上飛ぶクラブは使用禁止、右側には大きな山がそびえ立つ。

一緒に回っているのは、弟のだい。
「あの一本杉ってクリスマスツリーみたいだね。」
だいはそういうと、UTでツリーに向かってボールを打った。
「ナイスショット!」
ボールは、ツリーの右側の先のフェアウェイに落ちた。
セカンドはツリーが邪魔にならないいいところだ。

お嬢もいつもその辺りを狙っているのだが、大抵は山に当たって止まってしまう。
今日は、山を避けてツリー左側の平らなフェアウェイを狙うことにした。
FW7が上手く当たれば150yは飛ぶ。
しかし今回もいい当たりはでず、山の中腹にある渦巻ティー付近に落ちた。
左を向いていたから良かったものの、もっと右に飛んでたら最悪OBだ。
お嬢がガックリしていると、
「落ち処は平だから、打ちやすいよ」とだいが声をかけてくれた。

だいのボールは、ツリーのふもとでピンまで残り110ヤード少々。
お嬢のボールは、渦巻ティー付近でピンまで残り120ヤード少々。

「グリーンに乗っかったらクリスマスプレゼントあげる。」とだいが下から声をかえてきた。
「ありがとう!グローブが欲しい、今のサイズが小さくてキツイんだ。」
「OK!がんばれ!」
お嬢が打ったボールはグリーン手前のバンカーを超えてピンに向かって飛んでいった。いい所でボールが落ちますように!とお嬢が見届けていると、

「おいらは、スピン系のゴルフボールが欲しい。」とだいが叫んだ。
お嬢が「グローブよりだいぶ高いじゃん」と思うのも束の間、だいはさっさとボールを打った。
相変わらずおねだり上手だな、と思いながらお嬢はグリーンへと向かうだいのボールを目で追った。

グリーンには、お嬢のボールも乗っていた。
プレゼント交換なんて何年ぶりだろうとほほ笑んだ。