out2番 Par5 右グリーン428y。
残り100ヤードから右に向かって急降下するこのホールは、
ティーショット、場合によってはセカンドからはグリーンが見えない。
ブランコを2、3回思い切り漕いで飛び降りた先がグリーンになるように上手く調節できるといいのだが。
青空も下、ハイジが気持ちよくブランコを漕いでいる映像が思い出される。
今回は、高校時代の友達と、ホールごとに何等かの願掛けをして回っている。
「OBせずにボギー以内で上がればその願いが叶う」と勝手に決め込んで楽しんでいる。
ティーショットに立って、順番に願い事を発表してドライバーを振って行く。
お嬢「迷っていた銀行株を買って一儲けする」
由美「九州へ出張したときに元カレと飲みに行く」
理恵「こないだ受験した資格試験の合格通知がくる」
真美「発表会で憧れの鈴木先生に連弾をお願いする」
各々が思いを込めて打っていき、とりあえず、一発目のOBは全員が免れた。
セカンドショットもいつになく皆慎重に振り、右の崖のOBを避けることができた。
4人のボールは、残り90~130ヤード前後に納まっていて全員がグリーンを狙える距離だ。
ただし、平らなフェアウェイから打つものは一人もいない。
お嬢は、残り120ヤードのラフでややつま先下がりの位置からグリーンを狙う。UTで軽打ちする方が樂だが、スピンが効かず奥のOBまで転がるのが怖いので8番アイアンでボールを打った。
「アッ」ボールは思ったほど高く上がらず、するすると転がって手前のバンカーに滑り落ちてしまった。
バンカーから上手く一発で出して2パットで上がればボギーだけど、バンカーは苦手だ。特にこんなときは、身体が回らずミスショットを招いてしまう。
お嬢は、「ハイハイ、あの銀行株は買いませんよ。」と言いながらバンカーに向かって歩き出した。
他の同級生も順番に願いを込めてアプローチを打っていった。