west6番 Par4 右グリーン286y。
ティーショットは打ち下ろしで、ネコの額ほどの狭い砲台グリーンが特徴。
お嬢でも頑張ればパーオンできそうな短いミドルホールだが、
セカンドショットからは、かなり打ち上げで距離感が難しい。

お嬢は友達のエリカとティーグラウンドに立った。
2人とも滅多にパーオンできないホール。

ティーグラウンドでスタンスを整えたお嬢に向かって、エリカが、
「どちらかがパーを取ったら、おやつにリンドールのチョコ食べよう!」と声をかけてきた。
そろそろ甘いものを食べたくなってきたお嬢は「いいねー」と笑顔で返して、力みそうになる体を緩めて、軽く素振りをした。

打ち下ろしで視線が下がりがちだが、師匠の教えを思い出して、正面にある遠くの木へと目線を映してドライバーを振った。
なかなか真っ直ぐ飛ばないボールは珍しく真っ直ぐに飛んでいった。
「ナイスショット!」エリカは、大きな声で声援を送ってくれた。
いつもありがたい。

セカンドショットは、8mほど上っている。
ショットナビで計測すると、上り込みで残り125ヤードと出た。
グリーンは、ネコの額ほどで手前に落とすとそのまま砲台から落ちるくらい傾斜が強い。
飛ばし過ぎると左足下がりのラフからの難しいアプローチが残ってしまうし、少しでも弱気になると落ちる。

「やはり急勾配のここは、6番で攻めないと。」と、
苦手だけど芯に当たれば135y飛ぶ6番アイアンを使った。
ボールはうまい具合に高いアーチを描いて砲台へと飛んでいった。
続いたエリカのセカンドショットも同じように飛んで行った。
2人とも傾斜は超えたが、落下地点は見えない。

どうにかグリーンに、あわよくばピンの手前にボールがありますように、と2人は祈りながら「リンドール、リンドール」と2人ははしゃいで急勾配を登り始めた。