west3番 Par5 457y。
打ち下ろしのロングホール。
セカンドから左サイドは崖でOB、右サイドは山裾が続く。

お嬢は、ゆるやかに曲がりくねった細長いフェアウェイを見下ろすと、
いつも、大蛇が通った痕跡のように見えてくる。
ここは、飛ばすことよりも、大蛇のくねりに沿って、正確に打つことが大切なのだ。
でないと左サイドのOBか、右サイドにあるの急斜面に落ちてしまう。

ティーショットはテンプラ気味で、300ヤードも残してしまった。
フェアウェイから、FWはもってのほか、UTも失敗の可能性も高い。
お嬢は、8番アイアン2打でフェアウェイキーブを優先した。

4打目は、残り80ヤードのアプローチ。
ピンに近づければパーだってあり得る。
「頭は動かさない、手首はこねない、軸は曲げない」
3ないでサンドウェッジを振ったが、ボールはグリーンの右へと飛んで行ってしまった。

お嬢は、「しない、しないと思うとしてやってしまうから、する、するで唱えるんだよ」という師匠の教えを思い出して唇を噛んだ。
「頭は固定、手首もキープ、軸はまっすぐで体重移動」だった。
お嬢は反省しながら、グリーンの横へと歩いていった。

お嬢が、次のホールで反省したことを覚えていますように。と天の神様は思っていることだろう。